人間はヒエラルキーの頂点に立っているなんてよく言うけど果たしてそうなのか?(羆嵐/吉村昭)
吉村昭という作家は初見でしたが、凄いです!
大正4年に起きた史上最悪の鳥獣被害を題材とした作品なので面白いという言葉は本当に適切ではないのですが、ぐいぐい引き込まれました。
「熊被害??現代じゃ考えられないよ~。」なんて軽く考えていましたが、読み終えた後は恐怖感しか残りませんでした。
熊の生活圏に人間がずかずか踏み込んで、食糧としてではなく、被害が出ると殺生、という我々を中心とする考え方が、本当にいいのかどうかは自分には判断できませんが、お互いに干渉することなく存在できないのかなぁ?なんてお子ちゃまのようなことも考えてしまいました・・・。
そういえば、この作品で「羆嵐」という言葉も初めて知りました。(熊を仕留めると必ず天候が荒れるということから来た言葉のようです。)
しかし、でかいです・・・380Kgで立ちあがると3m50cmだそうです。現在事件があった場所が跡地として再現されているらしいのですが、これ見ても異常なでかさですよね・・・。怖い。
羆嵐 (新潮文庫) | ||||
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