弱冠17歳・・・敵わないです・・・(上杉鷹山/童門冬二)
歴とした経済小説です・・・。
上杉鷹山の事を書いた書籍は「漆の実みのる国」に続いて2作目ですが、改めて歴史小説は史実を元にしたフィクションということを認識しました。2作、比較するとよく判ります。(本作もきちんと小説と題名に書いてあります・・・)
藤沢版はどちらかというとこれでもか、これでもか!と悲観的?悲哀的?に描いているのに対し、童門版はどこか明るく楽観的な感じ?でした。読みやすさも童門版の方に軍配が上がるのではないでしょうか?
多少美化されているにしろ、250年以上前、しかもあれだけ封建的な時代に、弱冠17歳で、こんなことを実践していた人物がいたなんて、びっくりを通り越して逆に疑ってしまいます。ただし、こういう人間は突然は出てこないでしょうから、その当時の、彼の周りにいた人々(藁科松柏とか細井平洲)の教育が余程凄かったんだと思います。
昔の日本って、貧しかったけれど、その分、今とは比較にならない位、聖人君子みたいな人が多く存在していたんでしょうね。
諸説ありますが「上杉鷹山」、流石JFKが尊敬する日本人として名前を挙げただけある人物でした。
そのうち、細井平洲や巻末で鑑賞を寄稿している平岩外四氏が薦めている恩田木工の事を書いている本も読みたいと思いました・・・。
全一冊 小説 上杉鷹山 (集英社文庫) | ||||
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