なんだかんだ言っても面白い、真理子先生・・・(”あの日のそのあと”風雲録 夜ふけの縄跳び/林 真理子)
この表紙はちょっとずるいですね・・・どう考えても著者に見えない(笑)
こんなことをいうと怒られるかもしれませんが、この方は、ずっとおばさんの気がします。
僕が小さい頃から、おばさんだったし、今もおばさん。これからもおばさん。
真理子先生は自分が小さい頃に、アグネス・チャンと子育ての事で喧嘩していた記憶が今も残っていて、正直あまりいいイメージはないのですが、(お会いしたことは勿論ないので、実際にはどんな方かは存じ上げません・・・)書くものは取り敢えず面白いです。
本作は東日本大震災があった2011年頃の週間文春に連載したエッセイをまとめたものとのこと。あくまで自分の感想ですが、先生は、皆が思っていて、世の中に言いたいことを、ズバズバ言うのではなく、「恐る恐る、ちょっと上から目線で、誰かが噛みついて来たらすぐ、今の意見引っ込めま~す。」的な述べ方で淡々と文書に起こしていく方かと・・・。
そういった曖昧な不安定感がファンにはたまらなく面白く感じるし、アンチの人にはたまらなく嫌なものに映るのではないかと思われます。(先生は最近あまり顔出しはしませんが、この方ほど、好きと嫌いが分かれる人もいませんよね・・・。)
本作は、「まぁ、私は私なりに、真剣に、面白く、時には傷つきながら一生懸命に生きています!皆さんも適当に頑張って~。」という先生の主張本です。そこまで内容と言う内容はないのかもしれませんが、まさに、これぞエッセイの見本という作品で、退屈とは無縁に、一気に読むことができます。
また、当時の三面記事的な出来事の歴史的文献資料としても十分に耐えられる書ではないかと・・・。(笑)