徹夜本と映画で現実逃避!

現実逃避して、しばし嫌な事忘れましょ!

昆虫に興味がなくても読めます!痛快なドキュメンタリー。(バッタを倒しにアフリカへ/前野 ウルド 浩太郎)

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極めてふざけた題名及び表紙の本ではありますが、中身は若干おちゃらけ感のある(ご自身を売り出すのが非常に上手な、と言う意味です。笑)昆虫学者の、至って真面目なバッタ研究記です。

著者は前野ウルド浩太郎氏。ウルドと言うミドルネームがついているからと言って、ハーフでもなく、かつ洗礼名を名乗っている訳でもなく、滞在先で尊敬する研究所の所長にその名前を貰い、それをそのまま使っているそうです。ちなみに、ウルドとは現地で最高に敬意を払われるミドルネームで〇〇の子孫と言った意味があるとのこと。

著者は定職を探す、学者一歩手前の昆虫研究家です。就職しようにも、学究の世界は非常に狭き門で、相当な実績がないと、サラリーマンのような終身雇用は望めないそうです。そこで著者は一念発起して、大好きなバッタの研究をする為にモーリタニアに自費で渡ります。モーリタニアにいるサバクトビバッタは大発生し集団になると、1日に100kmを移動し、全てを喰いつくし、農業に大打撃を与え、飢饉を招く「蝗害」というのを引き起こすのだとか・・・。まさに、地震や洪水と同じレベルの災害です。

著者はモーリタニアに2年籠り、紆余曲折を経ながらバッタの研究に没頭します。

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作品の中にも記載がある通り、自然相手のフィールドワークは、実験室と異なり全く予想ができないことが多く起こります。また、言葉の問題、文化の違い、そんなことを一つずつ著者は乗り越え、笑いに変え、徐々に研究の成果を出して行きます。そしてバッタ研究の成果を引っ下げて、念願の就職となるのか・・・!? 

そんな筆者の苦労を面白おかしく書いたのが本書です。研究記と言っても研究書ではなく、どちらかというとモーリタニア生活紀行のような内容なので、難しいことは書いてありません。ただひたすらモーリタニアの実に親切な人々と共に過ごした研究者の日常を面白おかしく書いています。

特に昆虫が好きではなくても、楽しく読める、お薦めの一冊です。