血で血を洗う、おばさま達とオタク達の大抗争!(昭和歌謡大全集/村上 龍)
最近、少し病んでいるのか(笑)龍先生の絶好調時の作品が読みたくなります。
(すみません、これは龍先生に聞いた訳ではないので、先生は今も絶好調かもしれませんが・・・。しかし、先生の「私とボルボ」を読んだ時は、正直少し吹きました。先生どうしたんですか?なんかただのブルジョアに成り下がってやいませんか!!怒。まぁ、それでもカッコはいいですが・・・。)
本作は、おばさんvsオタクの戦闘物語です。まぁ、それだけ聞くと正直どうしようもない内容に思えるかもしれませんが、世相を切り取っていて、アナーキーなハチャメチャ感があり、なかなか面白いです。何故か今まで未読でした。
この作品は1994年に週刊プレイボーイで連載が始まったのですが、当時、世のおばさま方は、その強烈なキャラから『オバタリアン』と呼ばれており、(これはwikiにも記載がありますが、『バタリアン』という大ヒットした恐怖映画とうまく語呂が引っ掛かり、その為に究極に市民権を得た流行語です。)一世を風靡しておりました。
また、オタクも当時、宅八郎という非常にキャラの強い人物が、時代の寵児になっており、それがオタクブームの後押しをして、世の中に認知され始めた頃だったと思います。
そんな、二者をぶつけてしまうのですから、流石、龍先生の眼の付け所は違います。これに気を良くした先生は(単なる推測です。笑)「半島を出でよ」*で今度はオタクと北朝鮮を戦わせてしまいます。
(*「半島を出よ」は大好きな小説で、最高の徹夜本です!自分は将来、ビバリウムを造って、ヤドクガエルを飼うという夢を持っているのですが、それはこの小説を読んでからです。ちなみに今までこの夢は家族のみならず、友人さえからも、引かれこそすれ、一切理解はされたことはございませんが・・・。泣)
本作を読んでいて、あれ?イシハラ?ノブエ?、え?これ「半島を出よ」の彼らなの?と途中で気付いて、自分は物凄い鳥肌が立ってしまいました・・・。
相変わらずかなりグロいですが、あくまでエンタメとして、笑い飛ばしちゃって下さい。龍先生の作品は入り込み過ぎると、それこそ病みますから・・・笑
本作は2003年に実写版で映画になっていますが、超駄作で龍先生の世界は全く表現されていませんね。まぁ、頑張りは随所に認められますが・・・。そもそも演じている俳優陣が美し過ぎるところから、もう受け入れられません。土台、先生の世界を映像で表現しようとすることが無理な気がします。