徹夜本と映画で現実逃避!

現実逃避して、しばし嫌な事忘れましょ!

戦争も、原潜も人間の手に余る・・・凄まじい2本。(Uボート/K-19)潜水艦ものです。

U・ボート ディレクターズ・カット(字幕版)K-19(字幕版)

U・ボート ディレクターズ・カット(字幕版)

K-19(字幕版)

先日、「ハンターキラー潜航せよ」を見たこともあり、潜水艦モノのおさらいを・・・と思い、「Uボート」と「K19」を鑑賞。どちらも史実を元にした作品で、「Uボート」は第二次世界大戦時のお話、「K19」は1961年に実際にあった、当時のソ連が28年間その事実を封印していた原潜事故を描いた作品です。 

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どちらも、凄まじいです・・・。

Uボートは戦争の狂気と虚しさを乗組員を通して語ります。敵であるイギリス船を追っかける時は勇ましく、敵の船を沈めて歓喜する一方、同じ人間を殺してしまったなんとも言えない虚無感。逆に攻撃を受ける時はいつ自分が木端微塵となり海の藻屑となるか、常に死と隣り合わせ。そんな極限状態に繰り返し置かれることで、艦内の雰囲気を徐々に狂気が支配して行きます。生き抜くんだという強烈な想いで、瀕死の状態から抜け出し、遂に補給の為の帰還が決まります。しかし、戦争はそんな彼らの唯一の安息の時間も奪って行きます。史実を淡々とほぼエンタメ性の脚色なく描いています。俳優陣の真に迫った演技が演技に見えず、見ている者は本当に潜水艦の中で戦争に参加しているような、物凄い圧力を感じてしまう壮絶に秀逸な一本です。

K-19は言わずと知れたハリソン・フォードと「シンドラーのリスト」や「レ・ミゼラブル」そして「スターウォーズ」でその地位を不動の物にした強いおっさん、リーアム・ニーソンがダブル主演しています。60年代のソ連というと、キューバ危機等もあり、所謂バリバリの社会主義で正直邪悪なイメージしか自分はないのですが、本作は乗組員が一丸となって、体を張り、命を犠牲にして未然に大汚染を防いだ原潜事故を元に描いた作品です。(宣伝には「世界なんか、一瞬で終わる」というとんでもなく過激な言葉が書いてありますが、今じゃとても書けないコピーだと思います・・・。)

本作は、バリバリの党幹部で、お目付け役新艦長として海軍から派遣されてきたハリソン・フォードとこの艦の元艦長で副艦長に格下げとなった親分肌のリーアム・ニーソンの艦員を含む艦の指導権を巡る水面下での切羽詰る攻防戦から始まり、事故が起き核暴走が起きるところから一挙にクライマックスまで向かいます。兎に角、当時のソ連が酷くて、社会主義の御旗の下、お偉いさん達の自己保身だけの為に安全など二の次で出航。なんと原潜にも関わらず、防護服も在庫切れという理由だけで搭載していない体たらく・・・。社会主義の申し子のように見えるハリソン・フォードと「艦員は家族、祖国の宝だ!」と考えているリーアム・ニーソンの攻防は如何に?また、核暴走を始めた原潜はどうなるのか?そんなところが最大の見せ場の手に汗を握る一本です。

いやー、本当に潜水艦物は見ていて苦しいですね・・・笑。(不謹慎な事を言って、本当に申し訳ないですが、映画自体は「笑い」とかは一切なく、至って真面目度200%です・・・。それだけ真剣に見て頂ける作品だと思います。) 

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