徹夜本と映画で現実逃避!

現実逃避して、しばし嫌な事忘れましょ!

メンヘラによる壮絶な悩みを抱える美女が如何に復活したのか・・・(傷口から人生 メンヘラが就活して失敗したら生きるのが面白くなった・・・小野美由紀)

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前回読んだ「メゾン刻の湯」の著者、小野美由紀氏に興味を持ってしまったので、続いて「傷口から人生・メンヘラが就活して失敗したら生きるのが面白くなった」も読んでみました。 

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題名と表紙だけ見ると、なんとなくハチャメチャな世界を期待してしまうのですが、(これは完璧に強烈過ぎる沖田×華嬢の後遺症ですね・・・。笑)至って真面目な自己探索本でした。ちょっと前に読んだ以下の本に似ていますね。 

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読み始めて、この赤裸々度、相当凄いなぁ、どこの出版社から出ているのかなぁと思って背表紙を見てみると、幻冬舎!あ、やっぱり。見城さんのところだ・・・。と妙に納得してしまいました。(調度、見城氏の著作「編集者という病い」も最近読んだばかりなので・・・。当該作の感想はまた次回にアップ予定です。) 

小野美由紀氏は、結構「噛ます」方ですね。笑

本作の題名もしかり、中の小見出しも「六本木のまんこ」「母を殴る」「やりまんにならない勇気」等相当に過激で目を引きます。ただ読んでみると判るのですが、内容は物凄くまじめです。若い時に誰もが持つ「悪いのは自分じゃない、社会だ!環境だ!」という被害者妄想意識と「誰か助けて、誰か私を愛して!」という無意識な欠乏感。頭脳明晰で感受性が人一倍鋭い氏が、成長する過程で、それらに凄まじく悩み、もがく様子を赤裸々に感じることができます。ただし、氏が凄いのは、必ず行動を起こして、最終的にはそこを乗り越えていることです。一般的にメンヘラになると、何もやる気がなくなってしまうというのが普通だと思うのですが、著者は、使用済みの生理用品を売ったり、17年会ったこともない父に突然会いにいったり、キャバクラで働いたり、母親を殴ったり、スペイン巡礼(カミーノサンティアゴ)に出かけてしまったり、シェアハウスに住んだりと、必ず何かしら実行に移しています。そこに至るまでの過程は本書にはあまり書いていないので、詳細は判りませんが、氏のチャレンジ精神はとてもメンヘラという感じではありません。よって、本書はメンヘラで本当に何もできなくなっている方には、正直あまり参考にはならないかもしれませんし、見方を変えると、所謂成功モノと言ってもいいのかもしれません。まぁ、あれだけ苦しんで、乗り越えて来たのだから、やはり並みの方ではないですし、苦しんだ分、それ相当の成功を手にするのが相応しいということでしょうか・・・。 

自分は、筆者が巡礼の仲間に言われる、「毎日を、月曜だ、火曜だと思ってする仕事はいけない。毎日を土曜、日曜、祝日だと思ってする仕事につきなさい。」という言葉には本当に撃たれてしまいました。「昔、仕事に行けない休みは退屈だと思う程、会社が好きだった時代もあったのに、今はどうしてこんなになっちゃったかなぁ。」なんて思いを馳せました・・・(哀) 

また、この本を読むと「メゾン刻の湯」を著者が上梓した背景がよーく判ります。それもひとつの収穫でした。時系列で読むのであれば、本作→「めぞん」のようですが、逆に読んだ方が、「あ~。」と深く読めるかもしれませんね。もしご興味をお持ちであれば、両書共にお読みになることをお勧めします。 

さて次は何を読もうかなぁ。