シークレットサービスから勉強するアメリカ政府の組織(笑)・・・エンド・オブ・ステイツ
不死身の男、ジェラルド・バトラー。またまた大統領を救います。相変わらず一人で1個師団に相当する強さです。
この作品は既にシリーズもの(Fallenシリーズ)になっていて、「エンドオブホワイトハウス(Olympus Has Fallen/2013年公開)」「エンドオブキングドム(London Has Fallen/2016公開)」と続き本作は第3作目です。(原題はAngel Has Fallen)
ちなみに原題の由来ですがオリンパスはシークレットサービスがホワイトハウスを指す隠語。キングドムはイギリスの正式名称The United Kingdom of Great Britain and Northern Irelandから、今回のエンジェルは、「大統領が搭乗するエアフォースワンがエンジェルと言われることから」、「シークレットサービスが大統領のguardian angelだから」と諸説あるようですが、今回エアフォースワンは出てこないので、おそらく後者ですね。
1作目で大統領、副大統領が不在となり大統領代行をすることになった下院議長(大統領継承順位は副大統領の次)を演じたモーガン・フリーマンが、2作目では副大統領、本作では大統領になっています。
ジェラルド・バトラー演じるマイクはシークレットサービスとして代々大統領の警護に当たっているが、長年の勤務で身も体もボロボロ、鎮静剤に頼ってなんとか責務を果たしている。
大統領が釣り休暇中に正体不明のドローンの大群に襲われ、警護隊が全滅する。水中に逃れ、大統領とマイクのみ九死に一生を得るが、襲撃のあらゆる証拠がマイクの仕業となるように仕組まれており、マイクは大統領暗殺未遂犯として捕らえられてしまう。隙を見て拘束状態から抜け出したマイクは果たして自身の身の潔白を晴らすことができるのか?
本作は、バンバン、ドカンドカンな火薬量、ナイフによる肉弾戦(何故かこの映画は最後は必ずナイフによる肉弾戦になります。)200%の大アクション映画です。ただし、製作費は1作目→2作目→3作目と徐々に少なくなっているようなので、同じような映画である程度稼げると判断した制作陣が要領よく投資作品にした感は否めないですが・・・。
因みに本作では、主人公が大統領からシークレットサービスの長官にならないか?と字幕、吹替双方で訳されているシーンがありますが、この部分は明らかに誤訳です。(確認したらシリーズ通して全部そうなっていました…。)日本で翻訳されているアメリカ政府の長官は一般的に省のトップであり、Secretaryと呼ばれます。日本で言うと大臣ですよね。日本ではCIA(大統領直下の組織)やFBI(司法省の組織)のTOPも長官と言っているようですが、いずれも英語ではDirectorと呼ばれているのでSecretaryを長官と訳すのであれば、正確には同じ長官を訳としてあてるのはおかしい。局長とか次官と訳すのが本当だと思うのですが、どうしてなんですかね・・・。CIAは中央情報局だしFBIは連邦捜査局と言っているので、猶更局長の方がしっくりくるのですが・・・。
よって、長官を日本流に大臣と訳するのであれば、Directorを長官と呼んでも違和感はないような気がしますが・・・。なんだか、日本のメディアの言葉の使い方はよくわからないですね・・・。
ちなみに現在のアメリカ政府には以下の省があるようで、皆topは基本Secretaryになっています。
主人公が属するシークレットサービスは最後の国土安全保障省の下部組織であり、(2003年迄、財務省の下)彼が大統領からOFFERされたのはDirectorです。(英語版でははっきりとDirectorと言っています。)よって、格的にはおそらく長官の下のナンバー2ではありますが、数ある組織の中の一つなので、まぁ、日本の警察なんかに例えると本部長(警視総監の下の警視監クラス)と言ったところでしょうかね? ただし、詳細は不明ですが、6,500名以上いる組織のようなので、相当のお偉いさんということは間違いなさそうです。
ついでに、ここまで調べたのでアメリカの内閣(cabinet)という観点からみると上記の省に以下が加わるようです。
アクション映画を見て、ここまで考えちゃうなんて、暇と言うか病気というか・・・。
まぁ、でも勉強になりました。(笑)