徹夜本と映画で現実逃避!

現実逃避して、しばし嫌な事忘れましょ!

「孤狼の血」の続編来た~!!!!さぁ、日岡秀一がどんな悪徳刑事に成長しているか楽しみ!!(「凶犬の眼/柚月裕子」)

凶犬の眼 「孤狼の血」シリーズ (角川文庫)

凶犬の眼 「孤狼の血」シリーズ (角川文庫)

所謂一身上の都合により、というか、勤務先の異動バタバタで暫く更新が途絶えてしまいました・・・。まだ、決して落ち着いた訳ではないのですが、ボチボチ復活させないと、読んだ本も、見た映画も記憶のかたなに行くだけなので・・・。(笑) 

本書は、柚月裕子氏の「孤狼の血」の続編です。3部作で既に「暴虎の牙」というシリーズ完結作も既に発刊されているので、中間本になります。 

暴虎の牙

暴虎の牙

  • 作者:柚月裕子
  • 発売日: 2020/03/27
  • メディア: 単行本
 

月氏は、かなり遅咲きの作家で、結婚後、子育てを終えた39歳に地元山形で文壇デビュー。小説家になった、きっかけが、「小説家になろう講座」ということで、相当異色な経歴お持ちですが、やはりと言うか当然と言うか小さい時から相当な読書家だったようなので、満を持して世に出てきた方のような気がします。

結構、文学賞にも縁がある方で、「臨床真理」で「このミステリーがすごい!」大賞を受賞していますし、前作「孤狼の血」でも直木賞候補になっています。 

大上の薫陶を受けた、日岡秀一は、大上殉職後、当然県警の上層部から煙たがられ、県北の田舎駐在所に飛ばされる。事件など何もない一人駐在所で、地元に溶け込みながらも、退屈な日々を過ごしている。

そんな時に、最大の暴力団である明石組のトップが殺され、敵対組織である心和会の組長、国光寛郎が事件に関与したとして全国指名手配される。警察の必死の捜査にも関わらず、全く網にかからない国光。

親類の不幸で一時帰郷し、晶子の店で偶然、国光と鉢合わせする日岡。正体不明の人物を国光と見抜いた日岡に、「あんたが思っとるとおり、わしは国光です。指名手配くろうとる、国光寛郎です。」「わしゃァ、まだやることが残っとる身じゃ。じゃが、目処がついたら、必ずあんたに手錠を嵌めてもらう。約束するわい」とうそぶく国光。逡巡する日岡だが、なんとなく国光に魅せられ、その場にいたかつての知己である親分衆の手前ということもあり、自身の将来の切り札にする位の気持ちで、何もせずに、そのまま駐在所に帰ることに。

暫くして、日岡の管轄の駐在所付近のゴルフ場開発の責任者として現れる国光。

国光の狙いは?果たしてその時、日岡はどう立ち回るのか?

前作は、暴力満載で非常に動きのある内容だったのですが、今作は非常に静かな感じで、どちらかというと頭脳戦が繰り広げられます。一応、日岡が主人公には違いないのですが、国光の方がキャラが立っていて、日岡の目を通して描かれる国光が事実上の主人公と言ってもよい作品だと思います。

前述の通り、『孤狼の血』は直木三十五賞候補、吉川英治文学新人賞候補、日本推理作家協会賞受賞。次作の『暴虎の牙』はまたまた山本周五郎賞候補になっているにも関わらず、本作は何の候補にもならなかったようなので、そこらへんが評価されなかったのかもしれませんね。しかしながら、間違いなく本作も徹夜本ですので、是非次作の「暴虎の牙」に行くためにも、目を通してください!

さぁ、自分はいつ次作読もうかなぁ。(笑) 

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