徹夜本と映画で現実逃避!

現実逃避して、しばし嫌な事忘れましょ!

考えさせられる1冊

中国の伝説の動物である麒麟は、一回食べた物の味は絶対忘れないと言われている、そんな舌を持つ天才シェフのお話・・・(ラストレシピ/田中 径一)

ラストレシピ 麒麟の舌の記憶 (幻冬舎文庫) 映画の原作になっているんだから、間違いないだろう!と考えて閲読。確かに面白いし、結末が気になってずんずん読み進められるんだけど、なんだかとっても薄味な印象。料理を題材にしているにもかかわらず、この感…

法の番人である裁判所の闇に切り込みます。神様のような人達しかいないと思っていたのですが・・・。 (裁判官も人である/岩瀬 達哉)

裁判官も人である 良心と組織の狭間で 日本人であれば、学校で必ず習う三権分立。詳細は忘れちゃったけど、言葉は覚えているという人も多いと思います。 日本国憲法は国会(立法)、内閣(行政)、裁判所(司法)の3つの機関が、それぞれ独立し、相互に抑制…

誰でも罹りうる病のようなので、自身を絶対に過信しないで下さい。(うつ病九段/先崎 学)

うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間 どうしてこの本を読みたくなったか、さっぱり判らないんだけど、何故か題名に惹かれて通読。「面白かった!」と云うと、病気で苦しんだ著者に失礼なので、「極めて興味深かった!」と言い換えておきます。(笑) …

「読書???」なんて言っている人はこのシリーズから読むといいかも・・・(絶望スクール・池袋ウエストゲートパークXV/石田 衣良)

石田衣良氏のIWGPシリーズ。11巻から突然復活して遂に15巻目。(クロスオーバビークルとは全く関係ありません。笑)内容はもうルーテーンのようにパターン化しているのですが、サラッと読めるので出ると必ず読んでしまいます。 パターン化しているとはいえ、…

心の平穏が得られました。じたばたしたってしょうがない・・・(そのうちなんとかなるだろう/内田 樹)

そのうちなんとかなるだろう 通勤は「百害あって一利なし」かもしれないけど、自分の場合は一利ある。少なくとも読書ができるから・・・。 この本の著者のことは知らなかったし、今もよくは知らない。コロナ禍でソフトロックダウンが始まる前に、自身の「読…

いたって普通の女の子二人が世界をびっくりさせた!・・・(ガール・コード/ソフィー ハウザー&アンドレア ゴンザレス)

ガール・コード プログラミングで世界を変えた女子高生二人のほんとうのお話 (ele-king books) 正直、こういう作品を読むと、流石アメリカ!と思うと同時に、ちょっと暗くなってしまう・・・。だって、日本ってこういうのが殆ど聞こえてこないから・・・。少…

超魔術は実は話術だった!!・・・・・(超魔術の裏技術/Mr.マリック)

超魔術の裏技術 - 誰の心でも誘導できる - 題名は「超魔術の裏技術」なので、手品のネタ本のように思われる方もいるかもしれないが、話術の本である。著者のマリック氏は「来てます、来てます。」「ハンドパワーです。」「超魔術。」で一世を風靡した方であ…

世の中がどんなことになっていても、桜は淡々と咲き、淡々と散るんだよね・・・。

どんな人でも闇を抱えている・・・(アタラクシア/金原 ひとみ)

アタラクシア アタラクシア?って何? (無知をさらけ出しているようで恥ずかしいのですが・・・)なんかの造語かな?と思ってネットで調べたところ、どうも元はギリシャ語の哲学用語で以下の記述がありました。 〘哲〙 他のものに乱されない,平静な心の状…

働き方改革の究極のお手本・・・(ドイツ人はなぜ、年290万でも生活が「豊か」なのか?・・・熊谷 徹)

ドイツ人はなぜ、年290万円でも生活が「豊か」なのか (青春新書インテリジェンス) 先日、然る方の講演会に出席させて頂く機会があった。 極めてフランス贔屓な方とだけ申し上げておく(笑) 氏か語られた事を、本当に本当に簡単に述べると、大体こんなことだ…

ルポルタージュのお手本のような一冊・・・(それでも彼女は生きていく 3.11をきっかけにAV女優となった7人の女の子/山川 徹)

それでも彼女は生きていく 3.11をきっかけにAV女優となった7人の女の子 題名の通り3.11をきっかけにAV女優になった7人の女性のことが淡々と書かれています・・・。(正確に言うと、3.11をきっかけに復帰した人もいますが・・・) 東日本大震災は日本が今…

と、あるスナイパーの人生・・・(白い死神/ペトリ・サルヤネン)

白い死神 冬戦争で「白い死神」と恐れられたスナイパーのお話。 ちなみに冬戦争と云うのは、世界史で習ったような気もしますが、第二次大戦が始って直ぐにソ連が国境を接するフィンランドに侵攻した戦争です。圧倒的な戦力を持っていた筈のソ連に対し、フィ…

奥さんがAVに出演していました・・・そこから始まる悲劇。(あるフィルムの背景/結城 昌治)

結城昌治氏、自分に取って初見の作家さんでした。最近の自分は、読みごたえがないという理由のみで、あまり短編集は読まないのですが、結論から言うと本作は珠玉の作品が詰まっており、非常に満足の行く一冊でした。 この結城氏の作品は必ずと言っていい程、…

うーん、あまり見たことのないジャンルとでも言えばいいのでしょうか?好き嫌いは判れるでしょうね・・・(西城秀樹のおかげです/森 奈津子)

「題名買い」(内容を全く知らずに題名だけで本を購入してしまうこと)と言うのは本好きであれば、必ず一度や二度は経験があると思います。自分に取って、まさに本著は文字通り「題名買い」の一冊であります。 「西城秀樹」と言えば押しも押されぬ昭和のスー…

肩の凝らない天才歌人のエッセイ・・・(もうおうちへかえりましょう/穂村 弘)

穂村弘氏。この本を読んで、著者は肩の凝らない天才だと思いました。 言葉の使い方とか発想が、独特で唸らざるを得ない。 何をやっている人物かというと、なんでも「ニューウエーブ短歌」という分野の草分けらしい。 「ニューウエーブ短歌」?? 現代短歌と…

視覚以外の感覚が堪らなく刺激される一冊・・・(美味礼賛/海老沢 泰久)

美味礼讃 (文春文庫) 海老沢 泰久氏は野球とモータースポーツのノンフィクション系ライターだと思っていたので、辻静雄という料理研究家をモデルにした作品があることを知って少々驚きました。それが2年前位?いつか読みたいなぁと将来読みたい本のリストに…

天才達と常に命のやりとりをしている、とある編集者の話。(編集者という病い/見城 徹)

最近映画を見る時間が全然取れないので、通勤途中に本ばかり読んでいる。 しかし、これは強烈な本だった・・・。 見城徹という人の存在を知ったのは、かなり前だったと思う。村上龍先生がどこかで見城氏の事を書いていたのを読んで、「へー、先生がこれだけ…

メンヘラによる壮絶な悩みを抱える美女が如何に復活したのか・・・(傷口から人生 メンヘラが就活して失敗したら生きるのが面白くなった・・・小野美由紀)

前回読んだ「メゾン刻の湯」の著者、小野美由紀氏に興味を持ってしまったので、続いて「傷口から人生・メンヘラが就活して失敗したら生きるのが面白くなった」も読んでみました。 frikandel.hatenablog.com 題名と表紙だけ見ると、なんとなくハチャメチャな…

外食産業に賭けた、ある男の凄まじいまでの生き方。(外食王の飢え/城山 三郎)

本作は1982年に刊行、外食チェーンROYALの創業者、江頭匡一氏をモデルにした小説です。福岡ベースのROYALは売上高約1,300億、営業利益率4.1%(2018年度)。現在は、今や誰でも知っている「ロイヤルホスト」、他にも「てんや」、「シズラー」、「シェーキー…

皆、病んでいる・・・でも焦る事はないよ、と優しく語りかけてくれる作品です。(メゾン刻の湯/小野 美由紀)

最近本当に銭湯って減ったなぁ、と思います。夏の暑い日に、銭湯に行って汗を流し、帰りにビールなんて、憧れますよね・・・。 frikandel.hatenablog.com 本作は銭湯を舞台にした作品です。筆者の小野美由紀さんと云う方は初見ですが、なんだかとっても凄い…

だから~、下心があった訳じゃないんですって~。(女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと/西原理恵子)

別に何か下心があって、本書を手に取った訳ではありません。あくまで、年頃の娘を持つ親として興味があった訳で・・・。(笑) 西原氏は自分に取っては結構イロモノなイメージな方です。したがって、本書もとんでもなくぶっ飛んだ作品かと思いきや、至って真…

心と心の触れ合いを描く透明な作品・・・・(リップヴァンウィンクルの花嫁/岩井 俊二)

リップヴァンウィンクルの花嫁 [Blu-ray] 「魔が差す」っていうのはこういうことなのかなぁ。ネタバレになるから、詳細は言いませんが、自分もこういう状態になったら抗いきれないかも・・・。だってとっても自然だし・・・。 著者の岩井俊二氏は小説家と云…

憧れの生活!・・・・(広く弱くつながって生きる/佐々木俊尚)

うーん、こんな風に生きられたらいいなぁ、と思うものの、それにはやっぱり、それなりに努力がいる訳で・・・なかなかどうして作者のようになるのは難しい気がします。著者はフリージャーナリストの世界ではそれなりに有名な方らしいのですが、やはり若い時…

流されちゃいけない。絶対に嫌だけど、自分だったらできる自信はありません・・・。(不死身の特攻兵 軍神は何故上官に反抗したか/鴻上 尚史) 

不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか (講談社現代新書) 何度も書いていますが、こういった作品を面白かったと言うのは本当に抵抗があります・・・。ただ、内容にグイグイ惹きつけられて、途中で止めるのが辛い一冊だった・・・とだけ申し上げておきま…

決して明るい内容ではありませんが、読了後、一筋の光が見えるような、そんな作品です。(蛇行する月/桜木 紫乃)

桜木紫乃女史は著名な直木賞作家なので、一度読んでみたいと思っていたのですが、何故か今までチャンスがありませんでした。 この人は不器用でも一生懸命生きている女性を本当にうまく切り取る人だなぁ、という印象を受けました。本作は高校の同級生のグルー…

凄く面白いけど、若干救いがないかも・・・・(クラインの壺/岡島 二人)

「岡嶋二人?」なんか面白い名前の著者だなぁ、と思っていましたが、今更ながら調べてみたところ、なんと!と言うか、やっぱり!と言うか、井上泉さんと徳山諄一さんというコンビのペンネームでした。 お二人は、残念ながら、1989年に本作「クラインの壺」を…

こんなことを常にやっている国アメリカ。日本が敵う訳ない(泣)・・・(理系の子/ジュディ・ダットン)

表紙に「高校生科学オリンピックの青春」と副題が書いてありますが、100%間違いではないものの、正確には「インテル入ってる!」の(古い!笑)インテル社がスポンサーをする「インテル国際学生科学技術フェア」に参加している子供達のお話です。 前から興…

え?そうなんだ・・・間違えて使っていた!そんなトリビアがたーくさん。・・・(言葉の常備薬/呉 智英)

言葉の常備薬 (双葉文庫) 「言葉の常備薬」と言う題名及び「呉智英」というなんとなくソフトな響きから、優しいお薬のような本を想像していたのですが・・・のっけから、産経新聞の○○という校閲部長のこういう日本語の使い方は間違っている!との厳しい~ご…

一見とんでもなくエログロですが、壮大な愛の物語とも言えます・・・(日本のセックス/樋口 毅宏)

題名が凄いです・・・。 自分は他人に「何を読んでんの?」って思われてもあまり気にならない方なので、ブックカバーとかはつけない派なんですが、流石にこれは表紙をひっくり返しました(笑) この本を知ったのは、以下の本に紹介されていたからなんですが…

とっても素敵な本ですが、説教が嫌いな人にはちょっと・・・笑  (子どもが育つ魔法の言葉/ドロシー・ロー・ノルト)

暫くブログの更新が滞ってしまった理由のひとつにこの本があります。 うーん、物凄く素敵な本で、珠玉の言葉が散りばめられているのですが、ふと、「こんなの余程、親に余裕がないと、できないよ・・・。」と思ってしまった瞬間に全く読み進められなくなって…