徹夜本と映画で現実逃避!

現実逃避して、しばし嫌な事忘れましょ!

心と心の触れ合いを描く透明な作品・・・・(リップヴァンウィンクルの花嫁/岩井 俊二)

 

リップヴァンウィンクルの花嫁 [Blu-ray]

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「魔が差す」っていうのはこういうことなのかなぁ。ネタバレになるから、詳細は言いませんが、自分もこういう状態になったら抗いきれないかも・・・。だってとっても自然だし・・・。 

著者の岩井俊二氏は小説家と云うよりは映画監督、映像作家としての方が有名かもしれませんね。まぁ、文章も書いちゃうし、映画も撮っちゃうし、音楽も作っちゃうというスーパーマルチな才能をお持ちな方です。所謂天才ですね・・・。 

本作も小説を書いて、映画を撮って、サントラの監修までなさっています。

小説が原作の映画と云うのは、大抵映像ではカバーしきれない部分が多いので、自分はがっかりすることが多いのですが、自身が文章で創った世界を映像で完結するっていうのは、どんな気持ちなのかなぁ?と、ふと興味を覚えて、今回同時に映画も見てみました。まあ、もしかすると、岩井氏は映像が先にあるタイプかもしれませんので、逆なのかもしれませんが・・・。 

主人公は何をやっても人生しっくり来ず、もやもやとした生活を送っている非常勤の教員。授業で声が小さく講義が聴こえないということで生徒から馬鹿にされたあげく、その学校をクビになります。そこでお見合いサイトで知り合ったやはり教師と結婚することにするも、両親は離婚している上、結婚式に呼ぶ親族も友人も殆どおらず、結婚相手から非難され、何でも屋に極秘で出席代行を頼む羽目に。結婚しても特に気分は晴れることなく、常に付きまとう違和感。そんな時に持ち上がった夫の浮気疑惑。それが何故か自分が浮気したことになり、三行半を突き付けられ、全てを失います。踏んだり蹴ったりで落ちるだけ落ちて行く人生。

生活の為に自身が頼んだ結婚式の出席代行のアルバイトをすることに。そこで知り合った人達との妙な関係。その関係でオーナーが謎の大きなお屋敷の住み込みメイドの仕事に就くことになります。そして遂にオーナーと出会います。それによって、徐々に人と人の付き合い、心と心の触れ合いが始まります。

主人公は無事立ち直れるのか?皆との関係はどうなって行くのか? 

 

で、どうだったかというと、やっぱり、映画は時間的な制約からくる端折り感や、出演の綾野剛の身元が早く割れてしまうこと、オーナーと主人公の関係を事前に若干匂わせてしまうことが、少し面白さを減じてしまっている気がしました。ただし、主演の黒木華はいい意味で常に素人感を醸し出せる良い女優さんですね。無理している感じがなく、とっても自然体な演技でした。ちょっと自分の主人公とのイメージとは違いましたが・・・。 

とっても地味な作品ですが、ホンワカとした元気を貰える温かい、一作、一本です。