徹夜本と映画で現実逃避!

現実逃避して、しばし嫌な事忘れましょ!

覆面作家と云うから誰かと思えば、なんとあのお方でした!!!(百瀬、こっちを向いて。/中田 永一)

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自分は、興味を持った本はアマゾンのwishlistにかたっぱしから放り込んでおいて、読む本が無くなったら、そこから購入という方式を取っているのですが、この本はどうして手元にあるのかが今一不明です。注文履歴を見ると確かに購入しているのですが、何故Wishlistに入れたのかが、どうしても思い出せません(笑) 

「百瀬、こっちを向いて。」という不思議な題名に惹かれたのでしょうか・・・。が、読んでみて、全く後悔はしませんでした。流石、俺の感性!(笑)とっても良かった!! 

この一冊は、表題の「百瀬、こっちを向いて。」の他に「なみうちぎわ」、「キャベツ畑に彼の声」、「小梅が通る」という4つの全く異なる短編から成り立っています。 

著者紹介の欄に、恋愛小説家と記載があるように、本作は全て恋愛小説なのですが、ドロドロしたものではなく、学生が主人公の、どちらかと言うと胸が「きゅんきゅん」する系の青春仕立てになっています。 

4話共に共通するのが、主人公が皆、人間付き合いが下手で、恋愛なんて自分には一生縁がないと思っていること。彼らが、日々の人生を通して、人を好きになって行く過程を著者は瑞々しく描いて行きます。使い古された表現ではありますが、「恋はするものではなく、落ちるもの」とはよく言ったもので、主人公達は、不器用に悩みながら、逡巡しながら、否定しながら、自身が恋をしていることを認めて行きます。「こんな筈じゃ・・・。」という、ためらい、恥ずかしさ、でもなんだか嬉しい、そんな微妙なテーンエイジャーの心情。

いやー、この著者はそこら辺の表現が本当にお見事!としか言いようがありません。遥かかなたのことですが(笑)自分も昔を思い出し、読みながら、ニキビができるかと思うほど何度も赤面してしまいました。(笑)うーん、甘酸っぱいなぁ。 

この中田永一という小説家に興味を持ち、一体どういう人なんだろうと調べたところ、なんと覆面作家だそうで、ますます興味が湧いてしまいました。駄目元で、ちょっとググったところ、な、なんと!そうだったのか・・・。と、妙に納得してしまいました。あのお方ならばいかにも・・・と120%の肯定感。自分は知らなかったのですが、今はもう、「中田永一=あのお方」というのは周知の事実で、本人がかなり前にカミングアウトしたそうです。いやー、びっくりしました・・・。本当に天才ですね・・・。