仕事とかで梯子を外されるのは、本当にむかつきますが、推理小説で梯子を外されるのは、どうしてこんなに嬉しいのでしょう!?笑・・・十角館の殺人/綾辻 行人)
「気分を変えて、なんか毛色の違ったものを読みたいなぁ。」と思って、推理小説を2冊選んでみた。これはそのうちの一冊。
そもそも、自分はあまり推理小説が好きではない。こんなことを言うとミステリーファンに怒られそうだけど、推理小説は、出来不出来がかなりあるし、「え?なんで?」なんてことも、ままあるので、結構頭を使って読んだ割には、満足感が得られない、そんな気がするからだ。
しかも、それに加えて、昔、ジェフリー・ディバーのウォッチメーカーを読んで、死ぬ程感動し過ぎて、以降、推理小説のハードルが異常に高くなってしまい、未だにそれを超える作品に出合えないといった不幸?幸福?な事実も重なっている・・・。
本作は綾辻行人氏の著名な「館シリーズ」のデヴュー作で1987年刊行。よって、かなり古い。しかしながら、著者が相当何度も手を入れて改訂している為か、古臭さは感じない。自分はまだ本作が氏の初作だが、館シリーズは、氏の人気シリーズだそうで、既に本作を含んで9作上梓されており、次作が最終作になると言われているとのこと。
角島は嘗ておぞましい迷宮入り殺人事件が起きた孤島。大学のミステリーサークルのメンバーの一人であるヴァン(ヴァン・ダインからとったニックネーム)の親戚である不動産屋がたまたま、その島を手に入れたことから、仲の良いメンバー、総勢7名で、その島に残っている十角館と呼ばれる建物で1週間の合宿をすることにする。
一方、既にミステリーサークルをやめた、江南(かわみなみ)のところに奇妙な書簡が届く。
一人ずつ減って行く合宿メンバーと江南に来た書簡がつながった時・・・。
著者は読者を兎に角、いろいろな方向に導いては、梯子を外し、また導いては梯子を外します。その連続です。そして、最後に「あ!」と一気に落とします。(仕事とかで梯子を外されるのは、本当にむかつきますが、推理小説で梯子を外されるのは、どうしてこんなに嬉しいのでしょう!?笑)
本作の登場人物が引き続き出てくるという、館シリーズ。少しずつ読み進めて行ければと思います!
極力外出は控えるように、とのことですので、平日は無理ですが、休日は籠って、読書三昧したいと思います。