毎度、背景が暗くておどろおどろしい感じの映画ですが、話もアクションも一級品です。(蜘蛛の巣を払う女)
あれ?これ昔公開された「ドラゴンタトゥ-の女」の続編?でも、ダニエル・クレイグは出てないし・・・。3部作として終わったんじゃなかったかなぁ?焼き直し?と少々混乱。なんのことはない、調べてみたら以下の構図でした。
映画はスウェーデン版が3作、ハリウッド版は2作。1作目のドラゴンタトゥの女だけが被っていて、今回の「蜘蛛の巣を払う女」は2015年に出版されたこのシリーズの新作をキャストを一新して撮ったものだそうです。ということで、監督もデビッド・フィンチャーではないですし、ダニエル・クレイグもルーニー・マーラーも出てきません。
あれ?でもこの原作を書いた小説家(スティーグ・ラーソン)は死後にこの3部作が有名になったんじゃなかったけ??? 新作って???
何のことはない、全く別な作家が書いていました。高名なサッカー選手であるズラタン・イブラヒモビッチの自伝を書いて有名になったダビド・ラーゲルクランツというジャーナリストです。
- 作者: ズラタン・イブラヒモビッチ,ダビド・ラーゲルクランツ,沖山ナオミ
- 出版社/メーカー: 東邦出版
- 発売日: 2012/12/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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なんでこんなことになったかというと、アメリカの出版元がこの作品の主人公である、リスベットを作家の死と共に葬るのはあまりにも勿体ないと考え、スティーグ・ラーソンの親と兄弟がダビド氏を雇って、続編を書いて貰ったようです。ちなみに、そのことに対して、ラーソン氏のパートナーだった女性は(この女性はラーソン氏が途中まで書いていた4作目を所持していると言われています。)「勝手にミレニアムの続編を書くなんて、きちがい沙汰だ!」とぶち切れているそうです。(そりゃ普通はそうだよね・・・笑)
尚、既に5作目となる「復讐の炎を吐く女(原題the girl who takes an eye for an eye)」も出版されており、やはりベストセラーに。6作目のThe Girl Who Lived Twiceを今年の8月に上梓予定だそうです。
リスベットは孤独を抱えるレズビアンの天才ハッカー。ハッキングで生計を立てながら、女性を虐げ、性の対象のみに見る男達を完膚なきまでに叩きのめします。
そんな彼女に自身が開発した核攻撃制御ソフトを米国家安全保障局(NSA)から取り返して欲しいとの依頼が入ります。それをハッキングで難なく手に入れるリスベット。しかしその後、謎の集団に命を狙われることとなります。四面楚歌の彼女は雑誌ミレニアムの記者で親友のミカエルに助けを求めます。ミカエルはリスベットからもらった手掛かりを元に、何が起きているのかを少しずつ解明してきます。浮かび上がる「スパイダーズ」という謎の組織。そこにNSA、スウェーデン公安局、核攻撃制御ソフトを開発した博士、そしてリスベットの忌まわしい過去が複雑に絡み、事態は異様な方向に向かって行きます。
リスベット、そしていつもリスベットの事件に首を突っ込み、死の淵を見る羽目になるミカエルはどうなるのか?「スパイダーズ」とは誰なのか?驚愕の事実が最後にあなたを待っています!(恐)
しかし邦題と原題って全然異なりますね・・・。
今回は邦題は「蜘蛛の巣を払う女」ですが、原題は「The Girl in the Spider's Web」なのでなんか微妙に異なります。邦題は能動的で強そうだけど、原題は蜘蛛の巣に絡め取られた女?で何もできない感じ?もっと言うとスウェーデン語では「That which doesn't kill us.」なので(これニーチェの言葉かな?)「あの我々を殺さないもの?」とでも訳せばいいのでしょうかね???
うーん判ったような判らないような・・・(笑)
おどろおどろしい作品ですが、最後には、全て解決して「ほっ」とできますので、安心してご覧ください。