「読書???」なんて言っている人はこのシリーズから読むといいかも・・・(絶望スクール・池袋ウエストゲートパークXV/石田 衣良)
石田衣良氏のIWGPシリーズ。11巻から突然復活して遂に15巻目。(クロスオーバビークルとは全く関係ありません。笑)内容はもうルーテーンのようにパターン化しているのですが、サラッと読めるので出ると必ず読んでしまいます。
パターン化しているとはいえ、世相はきちんと反映しているので、そういった意味では、将来、若者のトレンドを探っていく資料としても貴重な文献になっていくのかもしれませんね。
本巻は4篇収録で、「動物虐待」、「飲酒?危険?運転」、「引きこもり」、「外国人対象の日本語学校ビジネス」を取り上げています。
このシリーズが復活してから、主人公のトラブルシュータ―のマコトとキング、タカシの絡みが若干多くなっている気がします。特に本巻は、全部マコトが犯人を釣り上げ、タカシが制圧ってパターン?ちょっと捻りがなくなって来た?と言うか、衣良氏は水戸黄門様のように、そういう極めてシンプルなパターンを作ろうとしている気もしました・・・。もしくは巷でも暴力沙汰が増えてるし、タカシのヘルプは必須、そんな設定にしたかったのかもしれませんね・・・。構想を練るのは大変かもしれませんし、長続きさせるためにはパターン化なのかもしれませんが、ファンとしては、今後は以前のように頭を使ったマコトだけの活躍も期待したい気がします。
登場するおなじみの脇キャラも、今回は必須キャラのマコトのおふくろとファミレスに一日陣取るネット情報屋のゼロワンぐらい?なのでちょっと寂しい気がしました。ヤクザの「サル」は世論上、出しにくいとしても、エリート署長の「礼にぃ」なんかはどうしてるのでしょうかね?
艶っぽい話はIWGPには不要ですが、マコトのステディもそろそろ居てもいいし・・・。「え、その後どうしたかって?あんただって、気のおけない親友とその彼女の、そんな話は聞きたくないよな。だから、そんな野暮な話は聞きっこなしで今回は勘弁してくれ。」ですませばファンも納得するかと(笑)
併せてIWGPと言えば、忘れてはいけないのがクラッシック音楽。今回は以下の通りの選曲です。(衣良氏は、この流れかどうかは判りませんが、NHKの秀逸な「らららクラシック」という番組もやっていらしゃいましたね・・・。この番組のメインは間違いなく加羽沢美濃さんでしたが・・・。)
他に他のショパンのワルツを聞いている描写あり。
◆「西池袋ドリンクドライバー」たのしめ人生を (ヨハンシュトラウス2世)
バッハのゴールドベルク変奏曲は睡眠誘導曲?として紹介のみ。
**♪J.シュトラウス2世:ワルツ「楽しめ人生を」op.340 / ウィリー・ボスコフスキー指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
◆「要町ホームベース」シンデレラ(プロコフィエフ)
Prokofiev - Cinderella, Op 87 - Rozhdestvensky
◆「絶望スクール」 日本狂詩曲(伊福部昭)
他にアストル・ピアソラの天使のミロンガはストリートミュージシャンが街で弾いているという描写あり。
ちょっと驚きましたが、初めて邦楽が取り上げられています。ゴジラ音楽で有名な伊福部昭氏ですね・・・。
石田衣良氏は題名で話と音楽をマッチングさせているような気がするので、話の内容と音楽が本当にマリアージュしているかは自分には判りませんが、該当する音楽を聴き込んでから、本作を読むのも、IWGPの一つの楽しみ方だと思います。是非お試しあれ!!
ちなみに過去はこんなコンピレーションアルバムも出していました・・・。何を隠そう買ってしまったのはこの私ですが・・・(笑)