胸が張り裂けました・・・(プラハの春/春江 一也)
昔、東欧出張の際に何かプラハに関しての本はないかなぁ、と本屋で手に取った一冊。
死ぬ程はまりました・・・。
これは自分に取っての本当に本当の超徹夜本です。あまりにもハマったので、当時の職場の友人に薦めまくったところ、おっさん達は皆、涙、涙の共感の嵐・・・。女性陣は「面白かったけど、これにハマるおっさんはキモい。」との感想だった記憶があります。(泣)
(でも宝塚でも公演された位ですので、決してモテないおっさん用の小説ではないと自分は信じています。笑)
民主化運動真っ只中のプラハで出会った若き日本人外交官と美貌の東ドイツ人反体制活動家の禁断の愛の物語。
実際に1968年のプラハの春を経験した元外交官が書いただけあって、緊迫感は半端ないです。日々変わる情勢。そして忍び寄る東ドイツの秘密警察・・・。そんな状況の中で、どうしようもなく惹かれあって行く二人。障害が大きければ、大きいほど二人の愛は強まって行きます。
そしてソ連の軍事介入と共に物語もクライマックスを迎えます。
余りにも入り込んでしまったので、読んでいて自分は胸が張り裂けそうでした・・・。
読了後、予定通りプラハに出張に行ったのですが、行く場所、行く場所でこの小説の情景が浮かんでしまい、仕事になりませんでした・・・。
この作家は続篇として「ベルリンの秋」という作品も書いています。これも悪くはないのですが、自分はとある理由から、こっちの小説は大っ嫌いになってしまいました・・・ネタバレになるのでここでは割愛しますが・・・。
ご興味のある方は是非読んで、禁断の恋に身を焦がして下さい・・・。