何故かSF映画経験者ばかりが出てきますが、本作は至って、シリアスな重ーい作品です。(沈黙-サイレンス)
自分が、本作の原作者である遠藤周作氏を知ったのはまず狐狸庵先生シリーズからだったので、「海と毒薬」等のキリスト教関連の小説を読んだ時は正直、「え???これ本当に同じ人が書いてる???」と背表紙を思わず見返してしまった程でした。氏はそのくらい作品に2面性がある作家先生だったと思います。
この「沈黙」と云う作品は氏の至って真面目な側面の方の作品で、ユーモアのかけらもありません。
江戸初期のキリスト教弾圧の中、日本に信仰を広めようとしたポルトガル人の司祭の物語です。
主人公をアメイジング・スパイダーマンを演じたアンドリュー・ガーフィルド、そのパートナーをスターウォーズでカイロ・レンを演じたアダム・ドライバー、先に日本に渡り布教を試みるも棄教者となった司祭を同シリーズでクワイ・ガン・ジン役をやったリーアム・ニーソンが演じています。(こんなシリアスな作品をSF映画で有名な、この3人が、ついでに言うとマイティ・ソーの浅野忠信も出ています!演じているというのは、なんか縁と云うか笑えます・・・。)
見ていて本当に辛い映画ですが、布教に命を掛けた宣教師のこれでもか、これでもか、という試練?苦悩?を心理的に見事に描き切った作品だと思います。(日本より海外で評価が高いというのにも頷けます。スコッセッシ氏が監督をやるというだけでも凄いことですよね・・・。)
見終わった後は、あまりにも遠い世界で、なんと言っていいか判らない感じでしたが、今でも、日本を含め、世界各地で形を変えて同じようなことは起きているんじゃないか?ということにふと気づき、なんだか複雑な気になりました・・・。
沈黙 (新潮文庫) | ||||
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