徹夜本と映画で現実逃避!

現実逃避して、しばし嫌な事忘れましょ!

戦慄の一作(怖)。人は全く救いがない・・・。(カリスマ/新堂冬樹)

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正直、とんでもない圧力を感じる作品でした。かつて世界を震撼させた、オ○ム真理教にヒントを経て描かれた作品だと思います。

Wikiには作家の新堂冬樹氏のジャンルは「暗黒小説」と云う記載がありましたが、この作品はまさに暗黒小説と言うのにふさわしい内容です。ただし、氏は一方で、自分は読んだことはないのですが、純愛小説も書いていらしゃるようで、ファンの方は前者を「黒新堂」、後者を「白新堂」と呼ぶのだとか・・・面白い! 

本作は、まさに狂信宗教家の話なのですが、2/3位までは、本当に「胸糞が悪くなる」ようなカルトな新興宗教団の話で少々読むのが辛いです。最後の1/3位で漸くその化けの皮が剥されることになるのですが、そこからは圧巻!今までの進行が嘘のような激しい展開となります。そして怒涛のエンディングに・・・。読了後も、え!という驚愕の事実に唖然とはしますが、決してスッキリする作品ではないです。(救いも全くと言っていい程ありません・・・。)

改めて、人は、エゴと言うのでしょうか?弱さと言うのでしょうか?如何に他人の視線に縛られて生きており、結果、その事に関してどれだけ救いを求めているのか?ということを思い知らされました・・・。

神郷宝仙はとある宗教法人のカリスマ教祖。教祖とは名ばかりで、実は金、権力、女に目が無いインチキ教祖。身内の人間が健康を損ない藁をも掴む気持ちでやってきた罪のない人間や、受験に悩む親たちを次々に洗脳、下僕とし、金を吸い上げて行く。そんな教団に不幸にして目を付けられてしまった、しがないサラリーマンの妻。教団は妻を洗脳するものの、サラリーマンは偶然知り合った宗教団体から脱会させることを生業にしているカウンセラーに助けて貰い、壮絶な葛藤の末、妻を取り戻します。その過程で教団は殲滅・・・・したかのように見えたのですが・・・(怖)

兎に角、戦慄の作品です。黒社会を垣間見てみたい方にお勧めの一冊です。最後の1/3まで到達できれば、間違いなく止められなくなる徹夜本です・・・。

 

カリスマ(上) (幻冬舎文庫)

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カリスマ : 1 (アクションコミックス)

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