徹夜本と映画で現実逃避!

現実逃避して、しばし嫌な事忘れましょ!

失って初めて判る、家族というものの貴重さを丁寧に描いた、珠玉の作品。(運び屋)

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なかなか、趣深い作品でした。

クリント・イーストウッド氏にはどうしても往年のマカロニ・ウエスタンやダーティ・ハリーのタフガイ(死語?笑)のイメージが付きまとうので、最近の静かな感動を呼ぶような氏の作品には自分は違和感を感じつつも、毎回やられて(心を打たれて)います。 

花栽培の事業に夢中になり、成功するも家族を全く振り返ってこなかった老人アール。歳を取って、時代の流れに取り残され、破産、ほぼ文無しに・・・。そんな時に自身のピックアップトラックで荷物を運送するだけの簡単な仕事の誘いを受けます。何も考えずに積み荷を受け取っては運搬するアール。高額な収入に疑問を感じることはあっても、詮索は決してしないと考えていた筈だったのですが、ひょんなことから積み荷が麻薬という事を知ってしまいます。

その後は、自分が不義理をしてきた家族との関係修復の為にひたすら金を稼ぎ続けるアール。ただ運搬だけをしているにも関わらず、「運び屋がまさか老人の訳はない。」という先入観から、いつしか彼は麻薬取締局をも翻弄する、謎の運び屋になって行きます。一見、順風満帆の人生。そんな彼に遂に司直の手が伸びます。アールはどうなるのか?家族との関係修復はできるのか?

 

実話に基づいた話だそうです。

流石ハリウッドの重鎮であるイーストウッド氏、共演陣が本当に凄いです。ブラッドリー・クーパ、ローレンス・フィッシュバーン、マイケル・ぺーニャ、アンディ・ガルシア、そしてイーストウッド氏の実娘である、アリソン・イーストウッド。彼女が事実同様、娘の役で出演しています。(イーストウッド氏自身も5人の女性との間に7人の子がいると言われているので、アール同様な父親だったのでしょうかね?)

失って初めて判る、家族というものの貴重さを丁寧に描いた、珠玉の作品だと思いました。 

運び屋(字幕版)

運び屋(字幕版)