徹夜本と映画で現実逃避!

現実逃避して、しばし嫌な事忘れましょ!

終戦記念日に憂う。こういう清廉な政治家って今の日本に存在するんだろうか…? (落日燃ゆ/城山三郎)

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こういう類の本は「面白かった!」と言ってしまっていいのでしょうか? 
内容が内容だけに
ちょっと不謹慎な気もしますよね。

広田弘毅」という名前は知っていましたが、氏がこんなに国を憂う清貧で清廉潔白な人だったことは今回初めて知りました。(もちろん城山三郎先生がお書きになっていることを100%信じればですが・・・。)

それに比べて吉田茂は!!!(怒)。彼は日本のチャーチルと言われた位だから質実剛健な大人物かと自分は思っていたんですが、本作品では実に自己中心的な軽薄短小な人物として描かれていることに少なからず驚きました。
 
優秀で人望もあるがゆえ、本人の希望とは関係なく、何度も政治の世界に引っ張り出されてしまう庶民出身の広田氏と、「俺、俺」で虎視眈々と時局を伺う自己中な名門出身吉田茂。同時期に存在した、あまりにも対称的な二人。城山先生の作品的には、これが結果的に広田氏をより際立たせることになったのかもしれませんね・・・。

「例え自衛戦にせよ、戦争を正当化することはできない。自分には戦争を防止し得なかった責任がある。」と頑と譲らず何も語らず、淡々と自己の運命を「計らず」受け入れ広田弘毅氏。
最近キリスト教系の本を読んだこともあり、広田氏は実は皆の罪を背負って磔になったキリストの再来だったんじゃないか?とちらりと考えてしまった位でした。(笑)

誰の言葉か記述はありませんでしたが「善き戦争はなく、悪しき平和というものもない。」という一文が目から鱗で、非常に印象的でした。

どちらかと言うと自分は小説や映画には現実では起こり得ないようなことを求める超フィクション依存系ですので、(文字通り現実逃避野郎です…。)方向性が180度異なるこの種の作品は敬遠しがちなんですが、この本と出会えた事で、やはり雑読も大切だなぁ、としみじみ思った次第です。
落日燃ゆ (新潮文庫)

城山 三郎 新潮社 1986-11-27
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by ヨメレバ

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