こりゃ駄作なのか??? (ワイルド・スピード/スーパーコンボ)
うーん、困った・・・。
ワイルドスピードのスピンオフ作品として考えると、本作は正直相当な駄作の気配が・・・。(すみません。期待が高すぎたのかも・・・。笑)
そもそも、この二人はワイスピ(これは日本だけの呼び方で、海外ではFF_と呼んでるみたいですね。5作目ならFF5。FFは原題のFast&Furiousの略だと思います。これで自分は最初全く外国人と話が通じませんでした・・・笑)のオリジナルからのメンバーではないし、特にジェイソン・ステイサム演じるショーはとんでもないテロリスト(Euro Missionの敵役)の弟で、ワイスピの結構重要なメンバーであったハンを殺した過去もある大悪党。それがいつの間にか、チームになんのわだかまりもなく入っているし、ベタベタな英国人で、母親がヘレン・ミレンというなんだかちょっとキザっぽい犯罪一家出身設定に・・・。そこらへんを考えると、正直ヘビーなワイスピファンにとっては、段々訳が判らなくなっている映画になって来ている気がします。
今回の敵も人造人間みたいな奴だし、「おー!ワイスピはこれがないと!」なんていうシーンも最後だけだったです・・・。(悲)
とはいうものの、ワイルドスピード本編と切り離して考えれば、それはそれで相応に面白く、やはりドウェイン・ジョンソンとジェイソン・ステイサムの肉弾戦を含むユーモアな掛け合いは見応えがあります。(肉弾戦と云う意味では実際には二人の身長差は相当ある筈なのですが、敢えてそこは判らないように上手く作っていましたね・・・。ヴィン・ディーゼルもドウェイン・ジョンソンとは相当な身長差がある筈なので、そこら辺の演出はもう慣れているのでしょう・・・。)
本作は、根っからの西海岸住民であるドウェイン・ジョンソンとイギリス人のジェイソン・ステイサムの対比や、ハイテクとローテクの対比及び変わらず家族がメインテーマになっている気がします。
ハッティ・ショーはMI6の凄腕女性エージェント。テロ組織が運搬しようとしていた殺人ウィルスの確保に簡単に成功するが、超人的なパワーを持つ無敵の男を中心とする謎の集団に襲われ、止むを得ずそのウィルスを自身に移植、危機を脱する。しかしながら、謎の集団の情報操作により、彼女はウィルスを盗んだ裏切り者として、指名手配されることに・・・。
事態を重く見た、英米両政府は、元アメリカ外交保安部の捜査官ホブスと、元イギリス軍特殊部隊員且つ元MI6の捜査員であったショウに彼女の確保を命じる。
犬猿の仲である二人は、当然全く噛み合うことなく、捜査が後手々々に回ることに・・・。
二人は力を合わせることができるのか?そしてハッティと世界を救うことができるのか?
ライアン・レイノルズも出演しているのですが、また端役で相変わらず謎です・・・。(笑)役名もドウェイン・ジョンソンのリングネームのロックだし・・・2作目への伏線と思わないと訳が判らない、そんな演出でした。よって、そこは乞ご期待?でしょうかね・・・。
そうそう、ショーの隠れ家に車が沢山置いてあって、その中にミニ・クーパーあるのですが、ホブスが「チビなお前が乗るのにふさわしい車だな。」なんて皮肉り、ショーが「イタリアでの仕事に使ったんだ。」と返答するシーンがあるのですが、これは恐らく、ステイサムが出た映画「ミニミニ大作戦」の事を言及したパロディだと思われます。ちょっとニヤッとしてしまいました。これからご覧になる方は、是非注目してみて下さい!
うげーぇ。往年の龍先生の作品は流石にグロい(笑)・・・オーディション/村上 龍
往年の龍先生が「俺はなんでも書けちゃうし、小説ならトレンドも作れちゃうぜ。」と思っていたかどうかは判りませんが、油が乗り切っていた時にお書きになった作品です。
先生は物書きとしては超一流ですが、映画では残念ながら、そうはなれずに赤字垂れ流しをしてしまいました。自分は勝手に「だいじょうぶマイフレンド」(1983)という映画でこさえた巨額赤字を返済することがモチベーションになって、それが先生を大作家に育てた?と思っています。(すみません・・・笑)ちなみに、この映画は、なんとイージーライダーのピーター・フォンダ主演にも関わらず、(先生が彼に深く憧れていたのは判りますが・・・)彼にとんでもないことをさせています・・・。
閑話休題。
なんでも書きまくっていた?からか、本作は、あまり文学性はなく、どちらかと言えば単なるサイコホラーものと言ってもいいかもしれません。ただし、そこは流石に龍先生、そんじょそこらのホラーとは比べものにならない位、戦慄します・・・。
先生は若者対しては結構寛大で、総じていつも高い評価をしており、(決して、近頃の若い奴は・・・とか言うタイプではありません。)本作にも、相対的なアクセントとして非常にしっかりとした若者が出て来ます。この小説は本当に怖いんですが、それが唯一の救いでしょうかね・・・?
ふざけてんのか?(ヒトラーの忘れもの)
正直、見ているのが辛い作品でした。
戦争は漠然と「絶対してはならない。」と誰もが考えているとは思いますが、戦後にこんなことがあったという事実は、自分は勿論知りませんでした。あらためて戦争というものが残す傷跡は、取り返しがつかず、長く、長く残ってしまうものであることを認識しました。法的な意味での戦争は終わっても、一度起こしてしまうと、今の韓国と日本の不幸な関係を見ても、永遠に終わる事はないのかもしれません・・・。
もうすぐ8月15日の終戦記念日(戦没者を追悼し平和を祈念する日)も来ます。改めて戦争は起こしてはいけないことを、我々人類は肝に銘じておく必要があるのではないでしょうか?
それにしても、ムカつくのは、この映画に「ヒトラーの忘れもの」なんて邦題を付けた馬鹿は誰なのでしょうか? 原題は”Under sandet”(デンマーク語)で「砂の下に」という意味ですし、英題は”Land of Mine”で「地雷の地」です。それを、こんな「ヒトラーの忘れもの」なんてなんだかちょっとカワイイ感じの響きを感じてしまう邦題にしてしまう感覚は自分には全く判りません。配給会社が、レアな映画を紹介する為に一人、気を吐くキノフィルムズなだけに、尚更残念でなりません。関係者はこの映画をきちんと見たのでしょうか・・・。商売の為、話題性を取る為だけというのならば、そういう文化は本当に悲しいですし、未来は暗いです・・・。
ナチスが連合軍の上陸を阻もうと、海岸沿いに埋めた地雷は実に200万個以上。デンマークでもその地雷を撤去する為、ジュネーブ協定に反すると知った上で捕虜のドイツ人兵を使うことに。現場の指揮者は祖国を荒らされナチスを心の底から憎むラスムスン軍曹。しかし送り込まれてきたのは、年端もいかない少年兵達。軍曹は少年だろうが大人だろうが、ナチスには違いないと、心を鬼にして彼らを地雷撤去に酷使します。しかし犠牲者が2名~3名と増えて行くうちに、流石に鬼の眼にも涙・・・彼らと徐々に心を通わせて行くことになります。つかの間の小康状態。それが続くと思われていたさなかに、とある事件が勃発し、軍曹の心はまた元の状態に戻ってしまいます。
残された少年兵達はどうなるのか?
本作は見ていて切ないというよりは心が痛くなる内容の映画です。知っておくべきだし、こういった過去の惨状から目を背けるべきでもないと思いますが、正直、是非見て下さいとは簡単に言えない作品です。ご覧になる方は、それなりの覚悟が必要だと思います。
だからこそ、この邦題には、怒りを感ぜざるを得ませんでした。
「わすれもの」?ふざけんな!