徹夜本と映画で現実逃避!

現実逃避して、しばし嫌な事忘れましょ!

心の底から羨ましい。なじみの店があるだけで理想の人生が開けるかも・・・(おじさん酒場/文・山田 真由美 絵・なかむら るみ)

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この前に読んだ本が、かなり重厚な内容だったので、次はやさしい作品が読みたいなぁ、と探していて見つけたのがこの本です。 

この手の作品で有名なのは、やはり「孤独のグルメ」ですが、あちらは漫画だし、対象が「自分」、「料理」なのに対し、こちらは、「酒」と「店」と「肴」と「人」(主に「人」は「おじさん」ですが・・・笑)。硬派と軟派とはちょっと違いますが、「孤独のグルメ」が、ずばり、がぶりと料理に喰いついて行くのに対し、この本には酒と店と肴とおじさんに対する、最初はちびり、中盤以降はグイっとやさしい愛情が溢れています。冬の寒空でも、あったかーい、そんな感じです。 

酒場と云うと、なんだかんだ言っても「酔っ払い」。「酔っ払い」は普通は不愉快なものですが、この本には、「愛すべき酔っ払い」しか出てきません。悪い人はだーれもでてこないです。今時は子供の教科書でさえ悪人が出てきますが、この本には皆無。勿論そういう部分しか描かなかったのかももしれませんが、そこは著者の人懐っこい性格や、何世代も続いて来たことによって醸し出される、「各酒場の雰囲気が自ずと選ぶ客層筋の良さ」などが大きな理由だと信じたいです。後は、やっぱり比較的早い時間から飲んでいる、と云う事も関係しているのかもしれませんね。早い時間から酒!というと一般的には非難されるのかもしれませんが、おてんとさまが傾く前に飲む酒というのは、本当に美味いです。だから悪酔いもしない。で、さっと店が混む前に切り上げる。

鯔背ですよね~。まるで熱ーい風呂が好きな江戸っ子になったような・・・。(笑)

仕事が期せずして早く終わった時に、ふらりと寄れるような、なじみの角打ちが欲しいなぁ、と真剣に思ってしまいました。 

著者の山田女史は、伊豆で不定期ながらも、素晴らしく居心地のいい飲食店を現在経営なさっているようですので、いつの日かその店も訪ねてみたいなぁ、と考えています。