徹夜本と映画で現実逃避!

現実逃避して、しばし嫌な事忘れましょ!

相変わらず救いのない武士の世界にキラリと光るものを描いている作品(必死剣鳥刺し)

必死剣 鳥刺し

必死剣 鳥刺し

豊川悦司氏。笑わない俳優である。氏を初めて見たのは、武田真治と共演した深夜番組の「NIGHT HEAD」と言う番組だったと記憶している。武田真治もかなりの印象だったが、豊川氏の印象はそれはそれは凄くて、なんと言っていいのか、ミステリアスと言えば聞こえは良いけど、どちらかというと究極のWeirdな感じで、「トヨエツ」は以来僕の脳内に刻み込まれてしまった。本当に一度見ると忘れようと思っても忘れられない俳優、名前を思い出せなくなったこともない。なんか微妙に的を得てはいない気もするが、普通にニヤケ顔の堺雅人の対極にいるのが「トヨエツ」かもしれない。 

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そんな彼の主演である「必死剣鳥刺し」。

なんだか鹿児島なんかで食する鳥の刺身を連想してしまうような妙な題名だが、天下の藤沢周平先生の作品だけあり、相変わらず救いのない武士の世界にキラリと光るものを描いていると思う。

江戸時代の地方の小さな藩での出来事。藩主は側室に入れあげ、農民から搾り取れるだけ年貢を搾り、自身は側室と贅沢三昧。心ある藩士が次々と退けられて行く中、妻を病気で亡くした主人公は城内で皆がいる前で堂々と側室を刺殺する。斬首の上、お家取潰しを覚悟しての行動であったが、何故か軽い処分に。しかも1年後、近習(主君のそばに使えるお役目)として復権。状況が呑み込めないものの、そこは武士の世界。特に逆らうこともなく勤めに励むことに・・・。やがて、知らされる主人公の本当の務め。そしてその裏にある陰謀・・・。 

最初のシーンを含めて少々冗長な部分が多いと言うか、テンポが非常にゆっくりと言うか、クライマックスまで少々間延びする作品かもしれない。ただし、最後の殺陣は見事の一言。主人公が斬られる度に自身も痛みを感じるような緊迫感であった・・・。 

評価が分かれる作品かもしれないが、自分的には満足な一本。

 

最近、勉強の為にいろいろなブログを読ませて頂いているのですが、下記のブログはデータベースと云ってもいいレベルで凄いです。勉強になります!
https://mihocinema.com/hissiken-8597