大義を貫く男の中の男、本物の水戸黄門さまがここに居た。(光圀伝/冲方丁)
今年読んだ本の中でも確実に1、2を争う面白さでした・・・。
筆者の骨太なイメージの光圀通り、本書も骨太な読み応えのある先品でした。
光圀というとTVの水戸黄門シリーズの影響で好々爺を思い浮かべる方が大部分だと思いますが、この作品の光圀は全く異なります。本作は勿論史実を元にしたフィクションですが、それでも黄門さまのイメージががらりと変わりました。
若い時は前田慶次郎も真っ青の怪力巨漢の傾奇者(生まれ変わり? 笑)しかしながら、貴重な師や友人、家族に支えられ自身の大義を貫く為に命を掛ける名君に徐々に成長。そして、晩年は幕府は勿論、朝廷からも一目置かれる存在となって行きます。そういった意味では、本作は光圀の生き様から学ぶ帝王学の書と捉えてもいいかもしれません。
入り込み過ぎて、不覚にも目頭が熱くなってしまった箇所がかなりあり、沖方丁のあまりにも上手い描写に唸りました・・・。天地明察も凄く良かったですが、更に上を行く作品でした・・・。
光圀伝 | ||||
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